【家庭菜園】冬は寒起こし・春夏秋は日光消毒で。培養土のリサイクルで費用削減。

フルイ前 家庭菜園
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家庭菜園は、コスパを考えるとスーパーで買った方が良いと言われがちです。

このように言われるのは、以下の2つの理由が大きいと考えます。

  • 栽培規模が小さい為に、得られるメリットが小さい。
  • 苗・培養土・肥料等の、必要な資材の購入にお金が掛かる。

栽培規模は『栽培する場所』『掛けられる時間』の制限によるものなので、簡単に大きくする事はできません。

しかし資材費用の中でも大きい部分を占める 培養土 は、ちょっと頑張って リサイクル(培養土の再生)すれば、作業時に手間が掛かるものの、購入費用を半分にする事ができます。

わたしは、毎年リサイクル土と購入した培養土を半分づつあわせて使っていますが、連作障害による生育不良などの弊害は出た事がありません。

今回の記事では、プランター栽培での培養土のリサイクル方法を紹介したいと思います。

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培養土リサイクルの方法

プランター栽培での培養土のリサイクル方法には、2つの方法があります。
『夏の日光消毒』『冬の寒起こし』でのリサイクルです。

培養土のリサイクルには、『夏の日光消毒』が一般的です。

また、農民が昔から行ってきた、『冬の寒さに土を当てる寒起こし(寒ざらし)』も有効なリサイクル方法です。

この2つのリサイクル方法を使うと、効率よく培養土のリサイクルができます。

日光消毒リサイクル

日光消毒は、夏だけではなく春でも秋でも、暖かい地域ならば冬でも可能なようです。
土を日光で高温高湿にすることで、害虫や病原菌を死滅させるのが狙いです。

  1. 園芸シートに古土を広げ、天日干しで乾かす
    湿っているとフルイが上手く出来ないのでサラサラなるまで乾かします
    乾燥中の写真
  2. フルイで根や微塵を取り除く
    中目のフルイを使い、網に残った根等の大きなゴミを除きます。
    写真はフルイを使う前

    フルイ前
    フルイを揺すると根が塊になるので、
    これを取り除きます。

    フルイの途中
    つぎに細目のフルイを使い、網から落ちた微塵を除きます。
    左側の粒が細かいのが微塵で、これは処分します。最終的に半分程になります。
    微塵を除かないと水捌けが悪くなります。

    微塵を分けた写真
  3. 『透明ビニール袋』に古土を入れ、水を加えて湿らせて密封し、日なたで放置
    放置する日数は、夏は2~3日、春や秋なら1週間が良いようです。
    トロ舟を使って作業しているならば、トロ舟をビニール袋で蓋をし日光に当てると簡単です。
    黒いトロ舟が熱を吸収し熱くなるので、太陽さえ出れば、外気温が20℃にいかない10月でも、内部は容易に50℃以上になりました。

    水滴が溜らないように太陽に向けて斜めにしています。
  4. リサイクル材を古土に混ぜる
    フルイ後に再生材を混ぜた

上記の手順が推奨される古土の再生方法です。

しかし、春野菜で使った培養土を秋野菜に使いまわすには、残暑がきつい中での フルイ掛け は大変です。

秋野菜は『上手くいけばラッキー』程度で良いのであれば、フルイ掛け は省略し、ただし根などの野菜の残渣は出来るだけ取り除き、『透明ビニール袋での日光消毒』だけすれば、そこそこ大丈夫だと思います。

フルイ掛け微塵取り などは、春先にする『寒起こしリサイクル』時にシッカリ行います。

日光消毒で使う袋は『黒ビニール袋』と『透明ビニール袋』はどっちがよい?

日光消毒で古土を入れる袋の色に関し、『黒ビニール袋』が良いという意見と『透明ビニール袋』が良いという意見が見られます。

2つの意見のどちらが妥当か?悩ましいですが、『透明ビニール袋』を使う方が合理的と考えます。

何故なら 夏に車のダッシュボードが60℃を超える高温になる のと同じ原理で、『透明ビニール袋』はフロントガラスと同じように光を良く透し、中の黒色の古土が光を吸収して高温になり、密閉されている事で熱が逃げられずにドンドン貯まり、60℃近い高温 になる事が期待できるからです。

60℃は、センチュウを数分で退治出来る温度のようです。
45℃でも、4時間程度暴露すればセンチュウを退治できるようです。

一方で『黒色ビニール袋』では、薄いビニール自体は黒色なので光を良く吸収し高熱にはなりますが、中にある古土には光が届きにくく、むしろ温度が上り難くなると考えます。

結論として、日光消毒では古土を入れる袋には、『透明ビニール袋』をお勧めします。

寒起こしリサイクル

寒起こしは、気温が下がる12月から2月に行います。
土を氷点下に晒す ことで、害虫や病原菌を死滅させるのが狙いです。

なので残念ですが、西日本などの温暖地ではあまり有効ではないかもです。

冬、畑に空きスペースができたときに行いたいのが「寒起こし」です。地方によっては「寒ざらし」と呼ぶこともありますが、霜が降りる厳寒期に土を掘り起こし、土を寒気にあてる作業をいいます。

寒起こしのすすめ|アタリヤ農園

寒起こしリサイクルの方法

  1. トロ舟等のトレイに古土をあけ、移植ゴテ等で粗く割ります。
    これは培養土が外気に触れる面積を増やす為です。
    乾いている場合は水を撒き、全体に湿った状態にします。
  2. 蓋をして春まで放置
    トロ舟には水抜き穴がないので、何かで蓋をしないと雨や雪で水浸しになってしまいます。
    トロ舟の上に支柱などを置き、その上に段ボール等で蓋をすれば十分です。
    トロ舟に支柱を乗せた写真

    これで雪で埋もれても大丈夫です。

    段ボールをビニール袋で覆って防水すると、なお良しです。
  3. 園芸シートに古土を広げ、天日干しで乾かす
  4. フルイで根や微塵を取り除く
  5. リサイクル材を古土に混ぜる

リサイクル土の使い方

わたしの場合、栽培時には下半分にリサイクル土上半分に新品の培養土と、新旧培養土をあわせて使っています。

古土をリサイクルすると、フルイで根や微塵を取り除く為に量が半分ほどになってしまいます。

また、古土のリサイクルでは「土壌の消毒」「異物除去」「団粒構造再生」は出来ているとしても、前年の栽培で栄養分のバランスが崩れている可能性があります。

なので、新品培養土と合わせて使う方が合理的と思います。
それでも、全部新品培養土にするに比べて半額で済みます。

まとめ

リサイクル作業の為にトレイ/シート/フルイが初期投資として必要になるのが痛いですが、これらは10年以上使えますし、他の用途でも使えるので我慢です。

住宅地では古土の処理も面倒なので、再生して使うのは、それだけでも好都合と思います。

個人が出来るSDGsとしても、培養土のリサイクルに取り組むのは如何でしょうか。