【家庭菜園】イチゴの実が汚い!アザミウマに100均の粘着シートは効果ある?

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家庭菜園
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プランターでイチゴの栽培しています。

イチゴには『一季成り』『四季成り』の2つの品種があります。

一季成りイチゴは、開花/収穫時期が 5月~6月 と短いです。
対して四季成りイチゴは、開花/収穫時期は 4月下旬~10月まで と長く楽しめます。

わたしこの収穫期間が長いのに惹かれ、四季成りイチゴ を選びました。

栽培の初年度から、無事開花し順調に収穫できていたのですが、8月後半 になりイチゴの実の外観に異常が目立つようになってきました。

どうやら アザミウマ にやられたようです。

アザミウマは 高温乾燥になる8月~9月 に特に活発になるようで、四季成りイチゴはこの時期にも開花/収穫が出来てしまう事で、大きくやられてしまったようです。

イチゴへのアザミウマの被害は 外観が悪くなり実の表面が若干固くなります。
一応食べられますが、食感がどうしても悪化します。

そこで、アザミウマの駆除に取組んでみました。

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アザミウマ被害の症状

アザミウマ(英語名スリップス)は高温/乾燥になると活発になる害虫で、イチゴの実のヘタなどに寄生し、イチゴの果実の表面から吸汁し果実の変色や変形を引き起こすようです。

正常なイチゴは、熟す前は実が綺麗な白色で、熟すにつれて綺麗な赤色になります。
また実の表面に、ひび割れのような異常はなく、いわゆるかわいらしい外観になります。

正常な成熟前のイチゴの写真
正常な成熟前のイチゴの実
正常なイチゴの写真
正常なイチゴの実

異常なイチゴは、実が熟す前の色が綺麗な白色ではなく、黄色/茶色に汚れています。

異常なイチゴの成熟前の写真
アザミウマにやられたイチゴの成熟途中の実

熟すと赤くはなりますが、表面が汚く/実の膨らみが足りず/表面にヒビが入っています。

異常なイチゴの成熟した写真
アザミウマにやられたイチゴの成熟した実

わが家ではプランターに苗を2株植えており、正常に育つイチゴもありますが、実が増えてくるにつれて被害が増えてきた感じがします。アザミウマが増えてきたのかもしれません。

花に隠れていたアザミウマ

アザミウマはとても小さいので老眼の目で見つけるのは厳しいのですが、イチゴの花をしばらく見ているとゴソゴソしている虫を見つけました。
体が1mm程度と小さく、蟻のようにくびれてなくて細長いので、まず間違いなくアザミウマでしょう。

イチゴの花にいたアザミウマの写真
雌しべの左側に一匹。上の花びらに一匹。
アザミウマを拡大した写真
拡大してみました。間違いなくアザミウマ

対策方法

1mm網目の防虫ネットでは防げない

わが家ではイチゴをプランターで栽培しており、害虫対策として苗を植付けた時から網目1mmの防虫ネットをしています。

網目を1mmにしたのは、色々調べたところ『植物の生育に重要な通気性や光の透過性』『害虫を防止する効果』のバランスがもっとも良いと判断したからです。

もっと網目の小さい防虫ネットもありますが、網目の小さいネットはネット内部の温度が上昇する危険があり、換気を風に頼るプランター栽培には向かないようです。

防虫ネットはダイソーで網目1mmのを買ったもので、害虫が嫌う銀色のステッチも入っており、アザミウマ以外の害虫防止には問題なく働いています。

しかし網目1mmの防虫ネットは、もともと ナメクジヨトウムシアオムシ 等の害虫による被害や、鳥による被害 は防げても、体長が1mm程度のアザミウマは防げません。

また網目0.6mmや0.4mmの防虫ネットを使ったとしても、アザミウマは細いので完全に防ぐ事はできず、他の対策が必要になります。

アザミウマの駆除方法

アザミウマの予防/駆除には以下の方法があるようです。

  • 見つけて捕獲
    花に息を吹きかけると動き出すので見つけ易い/見つけたら一匹ずつ駆除する。
  • 黄色/青色粘着シートで捕獲する
    花についてしまったアザミウマにどこまで効果があるか疑問。
    ⇒いちばん簡単なのでやってみる。
  • 殺虫剤で駆除する
    アザミウマの種類にあった薬剤選択が難しい/花の中に潜む為に薬剤がかかり難い/耐性が付く問題がある。
    ⇒食べるに問題はないので殺虫剤までは使いたくない。
  • 天敵製剤で駆除する
    カブリダニやカメムシなどで幼虫や成虫を退治する。
    ⇒家庭菜園レベルでは費用的に無理。
  • 目の細かい防虫ネットを使う。
    アザミウマには少なくとも0.4mm目の防虫ネットが必要。それでも完全には防げない。
    ⇒通気が悪くネット内が高温になる。機械換気のできないプランターでは無理。
  • 赤色防虫ネットで侵入を防止する。
    赤色をアザミウマは認識できず黒い物体と判断し侵入しないとか。
    ⇒面白そう。ただ、赤色防虫ネットを安価で入手できるか?
  • シルバーマルチで忌避
    光の乱反射に忌避効果があり/幼虫が土に潜るのを防ぐ効果も期待できる。
    ⇒プランターにシルバーマルチは通気性や蒸れの弊害があり駄目そう。

今回は、粘着シートでどこまで駆除できるのか?試してみる事にしました。

害虫捕獲粘着シートでの駆除

用意した粘着シート

とりあえずのお試しとして、ダイソーの「ムシとり粘着シート」を購入しました。
黄色のシートと青色のシートが売っており、両方買いました。

ダイソーのムシとり粘着シートの写真
ダイソーのムシとり粘着シート

アザミウマは種類で好む色が異なるようで、うちのイチゴに付いたアザミウマがどっちの色を好むのか分からない為です。

ダイソー粘着シート仕様

  • 入数 :4枚
  • サイズ:5cm×20cm(1枚)
  • 色  :黄色 or 青色
  • 構造 :両面が黄or青の単色で
        片側のみに粘着剤
       (剥離紙を剥して使用)
  • 値段 :110円(税込)

なおホームセンターや通販では、もっと大きな「害虫捕獲粘着シート」が売っています。
値段は若干高いですが、枚数/大きさが段違いで、そちらの方がコスパは良さそうです。

これらの粘着シートで捕獲できるのはアザミウマだけでなく、アブラムシ/ハモグリバエ/etc.と多様なので、今回駆除が上手くいくようなら、そちらに変えようと思います。
ズッキーニやミニトマトの害虫駆除でも使えそうなので。

粘着シートの使用方法

購入したダイソーの粘着シートの説明文には、「紐で支柱等に吊るす使用方法」が記載されていました。

ですが通販で売っている他のシートでは「土に立てる使用方法」が載っており、なんとなくイチゴの葉や実に近い「土に立てる使用方法」に惹かれます。

なので実験的に2つの方法を試してみました。

  1. 吊り下げ式
    粘着剤は片側だけについているので、黄色と青色の粘着剤の無い面同士を貼り付け、防虫ネットの枠に吊るす。
  2. 土差し式
    粘着剤の無い面に爪楊枝を貼り付け、土に差す。

プランター内に設置するにはそのままの1枚では大きく取り回しが難しいので、1枚を3分割して使いました。中央のシートは少し長くしています。

結果使ったのは、吊り下げ用に黄色と青色を各1枚づつ/土差し用に黄色と青色を各1枚づつで、計4枚のシートを使いました。

粘着シートをイチゴプランターに設置した写真
8月29日 イチゴプランター内に粘着シートを設置

駆除の結果

黄色シートにも青色シートにも、小さな虫が沢山貼り付いていました。

貼り付いた虫がアザミウマなのか?ダイソーで買った拡大率4倍の拡大鏡で観察したのですが、貼り付いてしまっている事もあり、残念ながら虫の種類はよく分かりませんでした。

1週間経過後のムシ取り粘着シートの状況

吊り下げた粘着シートの捕獲成果
左側中央右側
黄色シート
緑色シート
土差しした粘着シートの捕獲成果
左側中央右側
黄色シート
青色シート

思っていたより捕獲される虫が多い。。。

捕獲された虫は防虫ネットの網目よりも明らかに小さいので、『元々防虫ネットの内部にいた虫 & 防虫ネットの中で増殖した虫』なのか?『粘着シートの色に誘引されて防虫ネットを潜って新たに外側から入って来た虫』なのか?どっちだ??と心配になってきました。

しかし調べてみると、イチゴに障害をもたらす ミカンキイロアザミウマ では、卵から成虫になるまで15~20日、成虫の寿命は気温30℃時に20日程度で、卵を1匹で 150~300個 産むようで、寄生されると、あっという間に増殖してしまうようです。

また、『アザミウマは自力では5m程度しか飛行できず、ハウス等の場合は周囲最低5mを除草することでアザミウマの発生率を抑える効果がある』との記事がありました。

これらのことから、粘着シートで誘引され遠くから大量に侵入した可能性は少なく、イチゴプランター内部で増殖した虫が大量に捕獲された と思われます。

黄色と青色の差

アザミウマでも種類によって好む色が違うようですが、うちの場合はどちらの色でも捕獲されました。
どっちが良いのか判断つかないので、併用でしょうかね。

吊り下げと土に差しの差

「吊り下げ式」も「土差し式」も、虫は同じように捕獲されていました。
大量発生してしまった場合は、両方で対応するのが良いと思います。

ですが「土差し式」は手間がかかります。

  • 爪楊枝を付ける手間
  • 葉や実がくっ付かないようにする手間
  • 水遣り時に水を掛けないようにする手間

なので、予防/検出用には吊り下げ式のみで、発生してしまったら併用が良いと思います。

結論

粘着シートはアザミウマ被害を抑える効果があるか?⇒微妙

黄色/青色の粘着シートは 100均製であっても十分に虫を捕獲できる 事は確認できました。

アザミウマの被害を抑えられたイチゴプランターの写真

しかし私のイチゴプランターでは、9月中旬までに収穫できたイチゴも、ほとんどがアザミウマにやられてしまいました。
粘着シートで 花や実についたアザミウマを完全に駆除する事はできませんでした。

大発生してしまったアザミウマを粘着シートだけで駆除するのは、残念ながら無理のようです。

現時点では、以下の対策が有効と考えています。

  • 人工授粉時に筆にアザミウマを潜らせて捕獲
    結構簡単に毛に潜り込んできますので、毛ごと潰します。
  • 雨が降る日は雨に晒す
    炭疽病予防に培養土にマルチングした上で雨に晒す。
    なお、わが家ではマルチングに排水ネットを代用にしています。
  • 葉かき/芽かきで風通しを良くする
    葉は4~6枚、脇芽は3個以下にし、害虫が潜み難い状態にする。

補足

その後10月に収穫したイチゴで、アザミウマの被害が明らかに減少しました。

これは以下の要因でアザミウマが減少したのでは?と考えています。

  1. 雨で流れた
    イチゴを雨に晒すと炭疽病になるリスクがあるという事で、雨予報の時はカーポートにイチゴプランターを退避していたのですが、9月末に予報外の雨に結構降られ、プランターを雨晒しにしていました。
    ⇒アザミウマが『雨で駆除された』可能性があります。
  2. 気温がいきなり下がった
    9月末で2023年の異常な高温の夏が終わり、一気に寒くなった。
    ⇒アザミウマが『低温で活性が落ちた』可能性があります。

もともとアザミウマは高温の乾燥した時期に活発になるようで、雨晒しが有効なのは考えれば当然のことかもしれません。

『雨晒しはイチゴの大敵の炭疽病を発生させる懸念があるので絶対にダメ』との思い込みで、絶対に雨に当てないようにしたのが悪かったのかもしれません。

でも実家では庭に露地でイチゴを育てていて、当然雨晒しですが、立派なイチゴが育っています。

雨晒しが良くないのは、『雨で泥が跳ね返り、葉や茎に付着する』ことが炭疽病の原因になるからのようなので、マルチングで泥はね防止をすれば、雨晒しをしても炭疽病のリスクを抑える事ができるようです。

私のように家庭菜園レベルでアザミウマを大発生させてしまった場合に、水でアザミウマを流す駆除を試してみる価値があるかもです。

補足:お勧めのイチゴ栽培の本

一季なりも四季なりも詳しく栽培方法が書かれてます。お勧めです!