ズッキーニを1株だけで育てると、雌花と雄花の開花が合わず、「せっかく雌花が咲いたのに、雄花が咲いてなくて人工授粉が出来ない!」となりがちです。
先に咲いた雄花を冷蔵庫で保管し、雌花が咲くのを待つ方法もありますが、授粉できる状態で保管できるのは、せいぜい3日程度ですし、冷蔵保管した雄花で必ず人工授粉が上手くいくとも限りません。
ズッキーニを2株植えれば、雄花と雌花の開花タイミングがズレる問題は大分解消されますが、苗代の費用が倍 になってしまいます。
そこで、種から苗を育てる事で苗代を節約できる育苗がお勧めです。
ズッキーニの育苗時期
ズッキーニは発芽適温が25~30℃と高めです。
これより気温が低い15℃までなら発芽は可能なものの、発芽までの期間が長くなり、発芽率も低下するようです。
一方で 生育適温は20~25℃ とそれほど高くなく、春植えで初夏に収穫、もしくは夏植えで秋に収穫するのがベストです。
ズッキーニは暑さに弱く、受粉能力も35℃以上で低下します。
育苗期間は30日程度は必要で、定植してから収穫が開始できるまでは45日程度は必要です。
初夏に収穫する春植えでは、暑くなる前の6月中旬から収穫を始めるには4月上旬に種まきをする必要がありますが、4月の気温は関東でも10~20℃で発芽適温には足りません。
農家さんは春の寒い時期から、ハウスやトンネルなどで 温度を管理して育苗 するようです。
おなじように家庭菜園でも、寒い時期から育苗を始める場合には、発芽までは室内で管理したり/育苗に保温箱を使うなどの工夫により、温度を管理し4月上旬等の早い時期から育てる必要があります。
実際のズッキーニの栽培時期は地域/品種によって異なり、春植えの場合の種まき/定植/収穫の時期の目安は以下のようになるようです。
- 種まき :3月中旬~4月中旬
- 定植 :4月中旬~5月中旬
- 収穫開始:6月初旬~6月中旬
育苗に必要な資材
ズッキーニの種
ズッキーニの種は¥400程度で購入できます。
1袋に種が10粒程度入っているので、1株あたり¥40で済みます。
苗だと1株で¥300程度はするので、種から育てるとかなりの費用削減になります。

余ったタネは、密閉して冷蔵庫で保管すれば、1年間は余裕で使えます。
ズッキーニ2期作の勧め
私のお勧めは、種を春に半分使い、残りを夏植えに使うズッキーニの2期作です。
夏植え時の育苗では保温の必要はありません。
春植えしたズッキーニは盛夏になったら早々に見切りをつけ、夏植えに切り替えた方が収穫量を増やせてコスパが良いです。
私の場合は8月初旬から夏植え用の育苗を始めます。
お勧めのタネ(ウイルス耐性の種)
ズッキーニにはアブラムシが付きやすく、アブラムシが媒介する事でのモザイク病に悩まされます。
モザイク病になってしまった作物を直す方法はありません。
葉が細くなり・実は大きくならず、収穫ができなくなります。
苗がまだ小さい時は、防虫ネットを使ってアブラムシを防ぐのが有効です。
ですが大きく育ったズッキーニにプランター栽培で防虫ネットを被せるのは結構難しい。
少し高めになりますがマルチウイルス病耐性の種の使用を断然お勧めします。
育苗容器(ポットの代用に紙コップ)
ズッキーニはタネが大きく、苗も大きく育つので、育苗容器は6~9cmポリポットが必要です。
6.0cmポリポットの大きさは、直径6.0cm×高さ5.5cm で、容量130mlです。
7.5cmポリポットの大きさは、直径7.5cm×高さ6.5cm で、容量220mlです。
9.0cmポリポットの大きさは、直径9.0cm×高さ7.5cm で、容量360mlです。
ポリポットは、苗を買った時についていたポリポットが余っていれば、それを使いましょう。
ポリポットが手元にない場合は、もっとも一般的な7オンスサイズの紙コップを、底に複数の水抜き穴を開けて使う事をお勧めします。

7オンスサイズの紙コップの大きさは、7.5cmポリポットと殆んど同じ大きさで、直径7cm×高さ8cmで容量205mlです。
代用するのにピッタリの大きさです。
種まき培土(100均の種まき培土)
種まき培土は普通の培養土とは求められる特性が異なります。
育苗培土で重要な3つの特性
- 通気性・保水性が良いこと
- 清潔なこと(発芽に肥料は不要)
- 粒度が細かいこと
ホームセンターで売っている種まき用土は量が多過ぎで、そのせいで値段も高く、家庭菜園でたった数株の育苗をするには合いません。
100均の園芸コーナーに少量パックの種まき培土が売られていますので、家庭菜園にはそちらをお勧めします。
- キャン★ドゥ:さし芽・種まきの土/1.2L/110円
- Seria :さし芽・種まきの土/2.0L/110円
1.2Lでも紙コップで6個分作れます。
100均の種まき培土がなかったら
春先は100均の種まき培土が売り切れがちです。
そんなときは通販で買えるこちらがお勧め。
5Lあるので十分コスパが良く、専門メーカー製なので育ちやすさは間違いなし。
液肥
育苗で使用する種まき培土には栄養分がないので、発芽後は液肥で栄養分を与える必要があります。
液肥には、わたしはハイポネックス原液を使っています。
安くて、幼苗から野菜/庭の植木まで幅広く使え、特に使用期限もないので、持っていると便利です。
保温資材
育苗時の気温が 日中23℃程度/夜間15℃程度 ならば、保温資材は必要ありません。
室外の気温がこれより低くても、室内の窓際等で育てられ、上記温度を確保できるならば、やはり保温資材は不要です。
これよりも低い気温の時に育苗をする場合に、ミニ温室的に保温ができて、ズッキーニの苗を定植までに入れておける大きさの保温ケースが必要になります。
日光を通す透明な衣類ケースを保温ケースに使う方が多いようです。
わたしが育てるのは2株だけなので、ちょっと小さいですが ダイソーのストックBOX(¥330)にしました。
これだと部屋の隅に置いても邪魔にならないです。

CDが24枚入るサイズのBOX
育苗手順
催芽まき
ズッキーニなどの種の皮が硬い硬実種子では、種皮が水を通し難いために、そのまま種まきしてもなかなか発芽しない場合があります。
確実に発芽させる為には、種まき培土に種まきする前に、 催芽まき(芽出し) を行うのが良いようです。
催芽まき手順
- 種の丸い方の端(双葉の先端になる方)を爪切りで切る
切るのは出来るだけ小さく殻だけを切ります。
でも丸い方は双葉の先側なので、多少傷がついても大丈夫のようです。
尖った方は胚芽なので切ってはいけません。
- タッパに水で湿らせたキッチンペーパーを敷き、その上に種を置く

- 種の上に水で湿らせたキッチンペーパーをかぶせる

- タッパに蓋をし、新聞で包んで輪ゴムでとめ、窓際のカーテン越しなどで暖める
ズッキーニは嫌光性種子でもあるので、遮光と保温を兼ねて新聞紙で包み、日中25~30℃になる場所で暖めます。
- 種から根が出たら完了
温度が適切ならば2~3日で根がでるようです。
この時は催芽まきを沢山していましたが、このやり方で育苗に失敗することはまずないので、2株育てるのに育苗するのは種3つで十分と思います。
(1つは保険)
種まき
催芽まきで発根(種から根がでる)が確認できたら、いよいよ種まき培土に種まきします。
種まき手順
- 種まき培土に水を加えて捏ねて、ギュッと握ったら水がポタポタ落ちるくらいまで水分を吸わせます。
種まき培土は水分を吸うと体積が減るので、使う量の1.5倍程度の培養土を準備し、それに水を吸わせます。
- 育苗容器に水を吸わせた種まき培土を詰めます。
- 培土に 深さ1cm程度の窪み を 3cm程度離して 2つあけ、浸水させた種を窪みに植えます。
発根した根が折れないように、余裕のある大きさの窪みを開け、種を横に平べったく置いて植えました。
- 種まき培土を覆土します。
嫌光性種子なので、残った種まき培土でしっかり覆土し、上から軽く押えます。
このときは育苗ポットに種を2つ植えていましたが、最終的に2株育てるだけならば、ポットに種を1つ植え、ポットを3つ育てる方が良さそうです。
(1つは保険)
発芽まで
ズッキーニは嫌光性種子なので、保温と保湿を兼ねて箱等に入れ、部屋の暖かい所で発芽を待ちます。
3~5日で発芽します。


空箱を被せる事にしました。
育苗で重要なのは、種植えから芽がでるまで乾燥させない事です。
ただし水やりのし過ぎは酸欠の懸念がありますので、培土が乾くまではそのままとし、乾いてからしっかり水やりします。
水やりは霧吹きを使って優しく少しずつ行い、育苗容器の水抜き穴から水が出るまで、たっぷり水をやります。
育苗
発芽が揃ったら、しっかり日光の当たる場所に移して管理します。

ただし最低気温が 15℃ 以下になる場合には、透明ケースに入れる等での保温が必要です。
屋外で育てていて、夜に気温が 10℃以下 まで下がるような場合には、透明ボックスで保温していたとしても、玄関内等に取り込んだ方が安心です。
ただし、日中の温度が20℃を超える日は、『蓋を締めたままだと温度/湿度が上り過ぎる』危険があるので、蓋を開けて換気優先で管理します。

夜間の最低気温が 15℃ を下回らなくなったら、育苗ボックスから出して育てます。

育苗中での防虫
アブラムシ媒介によるモザイク病の予防に、育苗の段階から防虫ネットを使ってみました。
ダイソーの曲げられる細い支柱を買ってきて、簡易的に被せただけですが、結構良い感じです。

発芽後の水やり
発芽後の水やり は、朝にしっかり水をやり、夕方に土が軽く乾く管理が基本です。
午後3時以降なら葉がしおれても水をやる必要はありません。
種まき培土には肥料分が少ないので、発芽が揃ったら一週間に1回の頻度で液肥を施します。
間引き
本葉がでたら間引きし、一本立ちにします。
間引きは根っ子を痛めないように、株の根本をハサミでカットして行います。
プランターへの定植
本葉の2節目が出たら、プランターに植え替えます。
なお、本葉は2枚ペアで出る品種と1枚づつ出る品種があるようで、同じ2節目でも本葉が4枚になったり2枚になったりするようです。
このため、本葉の数でなく本葉の節の数を定植の目安にします。

まとめ
育苗は慣れてしまえば簡単で、複数株にするならば確実に安く済みます。
種が余れば、冷蔵庫で保管すれば1年程度は余裕で持ちます。
お勧めです。






