温暖化のせいなのか、寒冷地のはずの我が東北でも、6月中旬に日中気温が30℃を超えるようになってきました。
これでは朝に水やりしても、水を沢山必要とするズッキーニなどは、午後には大きな葉っぱがヘロヘロになってしまいます。
昨年までは、日中気温が30℃を超えるようになったら、午後から日陰になる物置小屋の脇などにプランターを移して対応してきました。
ですがこれだと日差しの向きが偏るためか、葉が日差しの方向に偏って伸びて軟弱徒長&日差し側に葉が密集し、見た目からして生育に良くない感じ。とうぜん風通しも良くないです。
これからも夏の猛暑はつづきそうなので、プランター栽培の家庭菜園ながら、思い切って遮光ネットの導入を行いました。
遮光ネットの選び方
遮光ネットは色の違いで『白色』『シルバー』『黒色』の3種類あり、以下の特徴があるようです。
白色 | シルバー | 黒色 | |
メリット | 遮熱性が高い傾向 | 遮光と遮熱のバランスが良い傾向 | 遮光率が高い傾向 |
弱点 | 遮光率は低い傾向 | 白と黒の中間 | ネット自体が光を吸収し熱をもちやすい。ハウス内での使用は危険 |
使用時の注意 | 弱い日差しを好む陰性植物には適さない。 | 白と黒の中間 | 強い日差しを好む陽性植物には適さない。 熱がこもらないなように風通しを良くする。 |
価格 | 高い傾向 | 白と黒の中間 | 安い傾向 |
遮熱性に関して
遮熱性に関しては、そもそも今回の目的が猛暑対策なので、その点から遮熱性が高い『白色遮熱ネット』が望ましいのですが、私の家庭菜園は庭の露地で風通しが良いので、『シルバー遮光ネット』や『黒色遮光ネット』でも、悪くはないと考えました。
それになにより、安く済ますために100均で揃えるとすると、シルバーか黒色の遮光ネットしかありません。
遮光性に関して
遮光率に関しては、ネットの色だけで全てが決まる訳ではなく、素材や織り方である程度は調整できるようです。
なお、すべての植物が直射日光を好む訳ではなく、弱い日差しを気にしなかったり、逆に弱い日差しを好む植物もあるようで、高温対策で遮光する時の推奨される遮光率は以下のようになるようでした。
陽性植物 とまと/かぼちゃ等 | 半陰性植物 いちご/じゃがいも/バジル等 | 陰性植物 わさび/にら等 | |
遮光率 | 30%程度 | 50%程度 | 70%程度 |
今年のわが家の家庭菜園では、「ミニトマト」「ズッキーニ」「じゃがいも」「いちご」「バジル」を育てており、陽性植物と半陰性植物が含まれます。
なおこれらの植物は、日照への適応に多少の差異があるものの、どれも適正な成育温度は30℃以下なので、昨今の猛暑下で、昼間の直射日光に当てるのは危険すぎです。
ダイソーの遮光ネットを購入
『作物別に推奨される遮光率』より、わが家の家庭菜園の作物には、遮光率30~50%が望ましいことが分かりました。
半陰性植物 の「じゃがいも」「いちご」「バジル」は50%の遮光ネットでも大丈夫ですが、陽性植物 の「ミニトマト」「ズッキーニ」は30%の遮光ネットが推奨で、50%の遮光ネットだと日照不足の懸念が出てきます。
しかし、推奨遮光率は遮光ネットで完全に作物をカバーする場合での遮光率であり、周りから光が差し込む状態の遮光率ではないようです。
わが家での設置方法では、遮光ネットを張るカーポート側(南側)の高さが2m50cmとかなり高くなるので、朝夕の斜めから入る日照はもちろん、日中も周囲からの散乱光がかなり入ります。
なので陽性植物が含まれてはいるものの、遮光率50%程度の遮光ネットでも問題なしと考えました。
そのような考えから、遮光率が50% の『ダイソーの黒色遮光ネット』を導入しました。
これは2m×2mと家庭菜園で使いやすいサイズで、¥330とお安いのが素晴らしい。

遮光ネットの設置
遮光ネットは片辺をカーポートに結びます。
カーポートに付けるフックも、ダイソーのフックがピッタリでした。
このフックをわが家のカーポートに付けると、ネットが風等で引っ張られるとカーポートへの取付け部が食い込む位置関係になり、風で外れることはありませんでした。

反対側をタープ式で張付け⇒失敗!
遮光ネットの反対辺を、最初はタープのように紐でペグ的なものに結んで設置してみたのですが、これは強風時に遮光ネットが暴れ過ぎて不安になりました。
なによりも紐が邪魔で危険です。
足が引っ掛かったり、紐が目に当たりそうになったり、とても常設しておける構造ではありません。

反対側をイボ支柱枠に張付け⇒成功!
タープ式はイマイチだったので、イボ支柱で枠を作り、それに遮光ネットの反対辺を結びつける事にしました。
これは大成功。
非常に安定しており、多少の風にはビクともしません。
周囲に紐もないので、足を引掛ける等の危険もありません。

イボ支柱枠の作成のポイント
イボ支柱を結束バンド(ロックタイト)で縛って支柱枠を作り、コンクリートブロックに縛って固定します。
- イボ支柱で四角枠を作る
筋交いを入れて剛性を確保します。
縛り方は写真の感じで、直交部の5か所は『一箇所をクロスにする縛り方』で縛り、斜めクロスの4か所は2重巻で縛ります。 - 四角枠を起こし両端をイボ支柱で支える
四角枠を起こし、片側づつ支えのイボ支柱を縛って立てます。
ここも『一箇所をクロスする縛り方』で軽く縛り、後で形が決まってからしっかり縛ります。
のこったもう一方も、同じように支えの支柱を取り付けます。
縛った状態はこのようになります。
斜めのクロス部は全体の形が決まってから2重巻で縛りました。 - 支え支柱を梁と筋交いで補強
四角枠を支える支柱に、梁と筋交いを追加し、剛性を改善します。
下部の四隅は結束バンド3本で『一箇所をクロスする縛り方』それぞれ縛りました。 - 下部のイボ支柱を重石で固定
4隅全てにコンクリートブロックを重石として縛り固定します。

支柱枠の材料
支柱枠1セットの材料と費用はつぎのとおり。
遮光ネットはダイソー品で安くできましたが、支柱は風に負けないように太い支柱にする必要があり、どうしても費用がかかってしまいます。
結束バンドとイボ支柱を合わせ、1セット分で¥2,500程度となりました。
- 結束バンド
長さ300mmの耐候仕様品を24本使用 - イボ支柱
Φ16× 90cm/2本_短辺支柱
Φ16×120cm/2本_底の筋交い
Φ16×180cm_4本_縦支柱
Φ16×210cm_5本_横支柱&壁の筋交い
遮光ネットの張り付けのポイント

- 遮光ネットに金属クリップをハトメの代用として追加
ネットに元々ある四隅のハトメで縛るだけでは風でネットが大きく暴れます。
なので金属クリップを上辺と下辺の真ん中にハトメ代わりに追加し、両端と真ん中の3点でカーポート&支柱に結べるようにします。
ネットの端を折り厚みを増やしてクリップします。 - 遮光ネットの横側をタコ糸で結ぶ
遮光ネットだけだと風で伸びて大きく暴れます。
なのでネットの両サイドと中央にタコ糸を結び、風で伸びないようにします。 - 遮光ネットの上辺をカーポートに結ぶ
- 遮光ネットの下辺をイボ支柱枠の上梁に結ぶ
まとめ
イボ支柱で枠をつくる前に、イレクターパイプで枠を作ることも考えたのですが、イレクターパイプで作るとどうしても高くつきます。
イレクターパイプを使えば寸法精度は高くできますが、今回は寸法精度は不要で、安価に作れるイボ支柱が適していました。
カーポートが無い場合は、イボ支柱の枠を2つ作り、間に遮光ネットを張ればよいと思います。
このレベルの遮光ネットでも、直射日光の熱さをかなり緩和できています。
大変満足です。
遮光ネットはどうしても風に弱いです。
台風などで強風が予想される場合は、ネットを外した方が安全です。