我が家でミニトマトを育てる時には、コンパニオンプランツとしてスイートバジルを一緒に植えています。
南米原産で乾燥気味に育てると甘くて美味しくなるトマトと、熱帯アジア原産で成長するのに水分をたくさん吸収するバジルを一緒に育てると、バジルが余分な水分を吸収する事で勝手に水分調整してくれるのと、バジルの強い香りのおかげでトマトの匂いがかき乱され、害虫が付きにくくなる為です。
バジルは苗でも売ってますが、育苗さえできれば種から育てるのも簡単です。
種が余れば冷蔵庫で保管すれば1年はまず使えるようなので、節約の為と育苗の練習の為、スイートバジルは種から育てています。できるだけ費用は抑えて。
育苗トレイの代用に卵パック
バジルのような小さなタネは、育苗トレイ(プラグトレイ)という『タネを植えるところが小さく区切られたトレイ』にタネを蒔いて育てます。
育苗トレイはホームセンターの農業資材コーナーで購入できますが、農業資材用は販売単位が大きすぎます。
家庭菜園では少量しか使わないので、育苗トレイの代用で卵パックを使うのがお勧めです。
卵パックは、『尖ってて深いパック』と『先が平らで浅いパック』が上下に組合さっていますが、容量と深さの大きい『尖ってて深いパック』の方が良さそうです。
『尖ってて深いパック』は、200穴のプラグトレイと近い容量で、バジル以外にもキャベツやレタスやブロッコリーなどの葉茎菜類の育苗に使えます。
私の使った卵パックの場合は以下の容量になっていました。
- 尖ってて深いパック :容量 14cc / 深さ 22cm
- 先が平らで浅いパック:容量 11cc / 深さ 12cm
底面の凹み部に千枚通しで穴を4箇所開けて水抜き穴にします。
100均の種まき培土
種まき培土は普通の培養土とは求められる特性が異なるようです。
育苗培土で重要な3つの特性
- 通気性・保水性が良いこと
- 清潔なこと(発芽に肥料は不要)
- 粒度が細かいこと
わたしは以前、普通の培養土でバジルを種から育てようとして、さんざん失敗しました。
水やりや覆土などの不手際もありましたが、普通の培養土を種まき用土として使うのは難しいようです。
ですが、ホームセンターで売っている種まき用土は量が多過ぎで、そのせいで値段も高く、家庭菜園でたった数株の育苗をするには合いません。
なにかいいの無いかと探していたところ、100均の園芸コーナーに種まき培土が売られていました。
- キャン★ドゥ:さし芽・種まきの土/1.2L/110円
- Seria :さし芽・種まきの土/2L/110円
私にはこの量でも十分です。
種の浸水
種を培土に植える前に水に浸すと良いと言われますが、これは種の種類によるようで、浸水すると良いのは硬実種子だけのようです。
そのうえ浸水の時間が長すぎると酸欠になるので逆によくなく、浸水は半日以下にとどめる方が良いようです。
元々、浸水は「発芽時期を揃える」「発芽を早める」為に有効で、発芽自体は浸水しなくてもするらしい。よく考えたら自然界で勝手に発芽するのだから当然ですね。
スイートバジルは硬実種子なので浸水の意味はありますし、発芽が遅いと心配になるので、私は浸水を2~3時間ほどしています。
というか、実はスイートバジルを浸水すると、種の周りにぷよぷよしたゼリーみたいな物が出てくるのが面白くて、本当はそちら目当てに浸水しています。かわいいので是非見てみて下さい。
江戸時代にはこのブヨブヨで目のゴミとりをしたそうで、これがバジルの和名の目帚(めぼうき)の由来だそうです。
種植え
種まきは日中の気温が20度以上になる4月下旬から5月に行うのが良いようです。
スイートバジルの 発芽適温 は 20~25℃ です。
これは気温ではなく培養土の 地温 なので、夜間に下がる気温とは直接は関係ありません。
育苗で重要なのは、種植えから芽がでるまで乾燥させない事です。
ただし水やりのし過ぎは酸欠の懸念があります。培土にしっかり水分を含ませて日陰の涼しい場所に置いておけば、2~3日は水やりは不要で、培土が乾いたらしっかり水やりします。
種植え手順
- 種まき培土に水を加えて捏ねて、ギュッと握ったら水がポタポタ落ちるくらいまで水分を吸わせます。
- 卵パックに水を吸わせた種まき培土を詰めます。
- 浸水させた種を、各ポットにスポイトで2~3粒づつ、重ならないように5mmほど離して植えます。
- 乾燥防止に種まき培土を覆土します。好光性種子なので覆土は種が見え隠れする程度に薄くします。
覆土はバーミキュライトがお勧めです。
保水力が高く、粒が均一で扱い易い。
100均で少量から手軽に購入できます。 - 霧吹きで覆土を十分に湿らします。
- 発芽するまでは涼しい半日陰に置き、培土が乾いたら、霧吹きでパック底の水抜き穴から水が出るまでたっぷり水をやります。
我が家では玄関内のスリガラスの後ろで管理しています。 - 気温などが適切ならば、1週間程度で発芽します。
発芽が揃って双葉が開いたら、各ポットの一番丈夫な株を残して間引きし、しっかり日光の当たる場所に移して管理します。 - 種まき培土は肥料分が少ないので、発芽が揃ったら一週間に1回程度、液肥を施します。
発芽後の管理
トレイ育苗は土が少ないので、発芽後も乾燥には十分に注意して下さい。
日中の乾燥が心配なら、午後から日陰になる半日陰でも良いと思います。
朝にしっかり水をやり、夕方に土が軽く乾く管理が良く、午後3時以降なら葉がしおれても水は遣らないのが基本です。
屋外に出す場合は、保温・保湿・防虫・防鳥の為に 育苗BOX に入れて管理するのがお勧めです。
夜間の低温や強風が予想される時は、室内に退避します。
育苗カバー内部に重りを乗せると、多少の風には抵抗できるのでお勧めです。
スイートバジルの 生育適温 は 15~30℃ です。
比較的高温につよい植物です。
育苗BOX(100均のツールBOXで代用がお勧め)
育苗カバーには、100均の取っ手つきボックスがお勧めです。
保温・保湿にも都合がよく、夜間や強風時に室内に退避するにも便利です。
ただ育苗には換気も重要なので、わたしボックスに千枚通しで穴を開けて使っています。
バジルは『10℃以下になると枯れてしまう』ので、夜間の最低気温が15℃以上になるまでは、育苗BOXで育てた方が安心です。
ただし、日中の温度が20℃を超える日は、『蓋を締めたままだと温度/湿度が上り過ぎる』危険があるので、蓋を開けて換気優先で管理します。
夜間の最低気温が 15℃ を下回らなくなったら、育苗ボックスから出して育てます。
液肥について
液肥は、わたしはハイポネックス原液を使っています。
安くて、幼苗から野菜/庭の植木まで幅広く使え、特に使用期限もないので、持っていると便利です。
もともと庭の植木のチューブの活力剤代りに導入したのですが、こっちの方が断然安く済みます。
育苗ポットへの植え替え
本葉の2枚目が見えてくるまで育ったら、スプーン等で育苗ポットに植え替えます。
育苗ポットには、種まき培土ではなく、普通の培養土を使います。
育苗ポットのサイズは、7.5cmポリポット(=2.5号ポット)程度がちょうど良いです。
紙コップでも代用できますが、紙コップで代用する場合は底に穴を開けて使います。
鉢上げが早すぎると根張りが不十分で枯れやすく、遅すぎると土と水分が不足し、成長が止まってしまいますので、本葉の成長度合いを見逃さず植え替えましょう。
プラグトレイからの植え替えで、育苗ポットでの育苗を省略し、いきなりプランターに定植してもよいのですが、特に混栽では生育が悪くなる場合がありました。
育苗ポットで育ててから定植した方が安心です。
プランターへの定植
本葉が4~5枚まで育ったら、プランターに定植します。
トマトとの距離を出来るだけ離す為に、端っこに植えました。
ミニトマト優先の植え付けです。
(株間を17cm確保しました)
追記
今年は去年余った種を冷蔵庫で保管した種を植えたのですが、種植え後7日目で発芽率は7分4の約60%でした。
発芽率はだんだん低下するようなので、余った種の利用は1年までにするのが良いかもですね。
発芽までに使う種まきハウスも市販されています。