ミニトマトなどを家庭菜園で1株だけ育てるのであれば、苗を購入し育てるのが確実で効率的でしょう。1株からでも沢山実を収穫できますし。
ですが種からの野菜の育て方を覚えると、コストを下げれるだけでなく、家庭菜園の幅が広がって楽しさも倍増します。
たとえば、
- 苗が売っていない。
- 1株でなく複数株を育てたい。
- 手間をかけてでも安く済ませたい。
- めずらしい種が売っていたので育ててみたい。
- 収穫した種から育ててみたい。
などの場合、種から育てられる自信があれば、悩むことなくトライする事ができます。
直播きと育苗の選び方
種から育てる方法には2つあり、畑やプランターへ直接種をまく 直播き と、セルトレイ/育苗箱/育苗ポット等に種を植えてある程度育ててから鉢上げする 育苗 があります。
直播きと育苗のどちらが良いかは野菜によって異なり、育苗した場合の植替えに対する根の再生力が関係するそうです。
- 直播きが向いている
大根/白菜/ほうれん草/小松菜等 - 育苗が向いている
レタス/バジル/トマト等
種を発芽させ苗の大きさまでに育てるには、温度/水/空気 及び 病気や害虫を人為的に管理できる育苗が間違いなく優れています。
しかし育苗では、ある程度大きくなったら畑やプランターでの植替えが必須になるので、この移植時に根の再生力が低い野菜はダメージを受け生育障害が出てしまいます。
そこで根の再生力が低い野菜は種を多めに直播きし、成長の遅い株を間引きし、丈夫に育った株を大きく育てる方が良いとなります。
また株毎に収穫するような野菜も、育苗では手間がかかり過ぎるので直播きが良いです。
このような植物毎の傾向は、全て知らなくとも種袋の裏面に育て方が書いてあるので、それに従って育てれば心配ありません。
直播きのポイント
畑でもプランターでも基本は同じですが、多めに種蒔きして適時適切に間引きし、より生育の良い株を育てていく事になります。
種蒔き方法には、
- ばら蒔き
全体に種をばらまく方法です。
ベビーリーフなど、株数を多く育て間引き菜を利用する葉野菜や、種が小さくて点蒔き/すじ蒔きが難しい野菜に向きます。 - すじ蒔き
棒や板を土に押付けて溝を作り、溝の中に等間隔に種を蒔きます。
ほうれん草や小松菜など多くの野菜に向きます。発芽後の間引き/追肥/増し土等の作業が楽です。 - 点蒔き
あらかじめ株間を取って、1か所に数粒ずつ種を蒔きます。
大根や白菜や豆類など、栽培期間が長く広い株間が必要な野菜/種の大きな野菜に向きます。
適切な蒔き方は種袋の裏面に記載されています。
育苗のポイント
育苗で育てる種は、種袋に育苗時の注意点などが書いてあります。
初めての時は、種袋の指示通りにした方が良いです。
育苗に慣れたら種袋の指示通りでなくとも簡単に育てられますが、何も知らずにヘタすると本当に発芽しないので。
育苗で使う容器
- セルトレイ(=プラグトレイ)
小さいポットが連結している容器。
各ポットに2~3個種を重ならないように蒔いて育てる。育苗培土は最も少なく済むが、土が少ないので乾燥に注意する必要がある。
セルトレイで本葉が出る頃まで育ったら、育苗ポットか畑/プランターに移植(鉢上げ)する必要がある。 - 育苗箱
深さが浅い箱の容器で底に小さい穴が複数空いている。
一面に育苗培土を入れ、直播きと同じ方法で種を蒔いて育てる。セルトレイよりも土が多く必要だが、水の管理は楽になる。
セルトレイと同様に本葉が出る頃まで育ったら、育苗ポットか畑/プランターに移植(鉢上げ)する必要がある。 - 育苗ポット
苗を買う時についてくるプラスチックの入れ物。
セルトレイや育苗箱で本葉が出るまで育てた苗を、畑/プランターに移植するまで大きく育てるのに使用する。
また、容量が大きく種を植えてから苗が十分に大きくなるまで移植することなく育てられるので、始めから種を植えるのにも使用する。
育苗培土が多く必要。
育苗で使う培土
- 排水/保水性が良いこと
- 粒径が細かいこと
- 清潔なこと(肥料成分は不要)
育苗培土と培養土では求められる性質が全く異なり、培養土では発芽しない時もあります。
必ず育苗培土を使うか、バーミキュライト等の育苗に適した用土を使うようにして下さい。
育苗方法の例として、こちらの記事をチェックしてみてください!
参考:【家庭菜園】バジルを種から育てる。100均用土と卵パックでの節約育苗!
参考:【家庭菜園】自作のミニ育苗ハウスで発芽後も安心。イチゴパックを育苗カバーに!
補足:野菜づくりでおすすめの本
育て方だけでなくその理由も分かる。
お勧めです!