【家庭菜園】はじめてでも出来た!プランターでの四季なりイチゴの育て方

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家庭菜園
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小学生の娘に摘み立てのイチゴを食べさせたくて、プランターでイチゴを育ててみました。

ミニトマトや小松菜は毎年プランターで育てていますが、イチゴは初めての経験でした。

園芸本やネットを眺め、まあなんとかなるかな?と栽培開始。

でもいざ始めてみると、園芸本に記載された2ページ程度の情報では全然足りずに右往左往しましたが、結果的に初年度から無事収穫できました!

イチゴ栽培は面倒なことが結構ありますが、かわいいイチゴが収穫できた時の嬉しさは格別です。

わたしの掴んだ、失敗しない栽培のポイントをまとめてみました。

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イチゴの基本情報

科名属名:バラ科イチゴ属
生育適温:18~25℃
     ただし5~35℃で生育可
水やり :土の表面が乾燥したら
     1日1回たっぷりやる
植付時期:四季なりイチゴの場合
   春植え_2月中旬~4月中旬
   秋植え_9月中旬~11月中旬
収穫時期:4月下旬~10月上旬
     夏の高温期を除く     

イチゴの色々な品種

ホームセンターで売っているイチゴだけでも沢山の種類があり、選ぶのに悩むと思います。

しかも一季なりとか四季なりとか謎のワードもあります。

一季なりと四季なり

イチゴは、収穫できる期間の違いで、大きく2種類に分類できるようです。

  • 一季なりイチゴ
    収穫期間は短いが比較的甘く美味しいとされる
  • 四季なりイチゴ
    春から秋までの長い期間で収穫できる
    ただし一季なりより味は劣るとされる

わたしは味の優劣よりも『長い期間収穫ができる』点に惹かれ、四季なりイチゴを育てることにしました。

家庭菜園で毎日世話をすることになるので、収穫時期が長いほうが愛情がでて楽しいですよね。

四季なりイチゴの品種

四季なりイチゴにも色々な品種があります。

近くのホームセンターに売っていたのだけでも沢山の種類。

  • よつぼし
    甘味/酸味/風味がそろって四つ星級に美味しいことから命名
    実の大きさは15~20gの中粒
  • 天使のいちご(エンジェルエイトAE)
    品種の正式名は「ももいろほっぺ8号」という白いちご
    甘さと酸味のバランスがよい
    実の大きさは30g前後の大粒
  • めちゃウマッ!いちご
    デルモンテ苗の高糖度品種
  • めちゃデカッ!いちご
    デルモンテ苗の大粒品種
  • らくなりイチゴ
    サントリー苗のビギナー向け病耐性品種
    甘酸っぱくサクサク食感
  • ドルチェベリー
    サントリーの食味お勧め品種
    糖酸バランスが良い上質な甘さ

わたしが最初に育てたのは、病気に強く作り易い、が売り文句のサントリーの四季なりイチゴ『らくなりイチゴ』でした。

『らくなりイチゴ』は、うたい文句のように病気に無縁で育てるのが簡単でしたが、甘さが足りず酸っぱい感じで、わが家的には正直コンデンスミルクを付けないと美味しくない感じでした。

でも『らくなりイチゴ』のおかげで育て方を完全にマスターできたので、今年から調子にのって、『よつぼし』『天使のイチゴ』『めちゃウマッ!いちご』『ドルチェベリー』の4品種を1株づつ育てています。

『よつぼし』『天使のイチゴ』はすでに収穫して食べましたが、驚くことに、店で売っているのと比べても遜色ない美味しさ!

四季なりイチゴも侮れません!

イチゴ栽培のポイント

イチゴは乾燥させない限り駄目になることはなく、結構生命力が強いです。

雪の下でも生き残り、風にも強い。
ほっとくと次々に脇芽が出てきて、脇芽欠きをしないと風通りが悪くなるほど。

なので栽培自体は簡単です。

ですが、綺麗なイチゴを収穫するためには、小まめにお手入れする必要がありました。

苗の選び方

イチゴの苗は春と秋にホームセンター等で販売されます。

良い苗の選び方

  • クラウンが出来るだけ太いこと
  • 葉の緑が濃く厚みがあること
  • 下葉にカビや変色が無いこと

なお、クラウンというのは茎の根本の膨らんだ部分で、ここから下には根が生え、上には葉柄(ようへい)や花茎(かけい)が生えます。

プランターの選び方 と 植付け方

プランターの選び方

プランターは深さ15cm程度 で、1株当り3L以上の土が確保できるサイズが良いようです。

つまり標準サイズのプランターで2株育てられます。

培養土は市販の元肥入り培養土に植えるのが気楽でお勧めです。

値段の高いイチゴ用の培養土もありますが、普通の野菜の培養土でも問題ありませんでした。

植付け方

イチゴのプランター栽培では、イチゴの実をプランターの淵から外に垂らす為に、『苗を若干片側に寄せたり』苗を若干斜めに植え付けたり』する植付け方もあるようです。

ですが標準サイズのプランターの大きさでは、普通に中心軸に植えても別に問題はありません でした。
気にしなくて良いと思います。

作業手順

  1. プランターに培養土を入れ、苗が収まる程度の穴を空ける。
  2. 人差し指と中指の間で苗を優しく挟み、上下ひっくり返してポットを外し、軽く手で押えながら根鉢を崩さずに培養土に空けた穴に植付け、株元に土寄せして軽く手で押える。
  3. クラウンに土が被らないように、苗の土の上には培養土は足さない。
  4. 葉やクラウンを避け、根本の土にプランターの底から水が流れ出るまで水をタップリ与える。

クラウンはイチゴの生長点なので、土の中に埋めると腐ってしまい、イチゴは育ちません。

『クラウンについた葉の付け根が地上に出て』かつ『根っこが見えない程度の浅植えにする』のが植付けのポイントです。
ポット苗を買った場合は、ポット苗の土の上面を植付け時の上面にしてしまえば簡単です。

苗の植付け時に、苗についているランナーをプランターの裏側に向くように、苗の方向を揃えて植付けるのが良いとされます。

これは花はランナーの反対側につき易い為で、苗の方向を揃える事で、プランターの正面側に花と果実を揃える事ができます。

防虫ネットとマルチング

アブラムシハダニナメクジ等の対策として、また結実後の鳥害対策として、植付け直後から防虫ネットを被せるのがお勧めです。

また、水やり時の泥はねが原因での病気を避ける為と、夏の暑さで土が乾燥するのを防ぐ為に、藁等を株元にしくマルチングがお勧めです。

ただし、わたしは藁を使うのに管理面と費用面で抵抗があったので、代用で水切りネットを使っています。
けっこう良い感じに使えています。

栽培する場所

基本的に風通しのよい日なたで育てます。

ただしイチゴは半陰性植物に分類されるので、直射日光には一日4h程度浴びせれば十分のようです。

日中気温が25℃以上になる暑い日には、建物で午後から陰になるような半日陰に移動させた方が良いです。

最近の猛暑の屋外でエアコンもなく暑さに我慢する植物がかわいそうで、それに日中の水やりも良くないし、そもそも日中に面倒もみれないので、わたしは夏には遮光ネットを使うようになりました。

水やり

土の表面が乾燥したら、葉やクラウンを避け、プランターの底から水が流れ出るまで、株元に優しくハスを使わずに水に手を添えてタップリ与えます。

防虫ネット越しでも水やりはできます。

ですが、ランナーカットや葉かきも必要ですし、ネット越しだと生育状況や害虫の有無の確認もし難いので、基本的にネットを外して水やりしましょう。

葉かき

葉が多すぎると風通しが悪くなり病害虫の原因となります。

葉が重なるので光合成の効率が悪く、むしろ成長に良くないようです。

この為、余分な葉を株の向こう側が透けて見える程度まで取り除きます。
これを葉かきといいます。

葉かきでは異常な葉古い葉から取り除き、一つの幹から生える葉柄(ようへい)を4~6本程度にするのが良いとか。

後で述べる脇芽を欠かずに育てる場合も、各脇芽からの葉柄を4~6本までにします。

イチゴでは、『1つの葉柄から3つの葉(複葉)が生えている状態を1つの葉』というようです。
なので葉柄が4本なら丸い葉は12枚になります。

ランナー処理

ランナーが伸びてきたら、収穫前は栄養がランナーに取れれないように全て切ります。

収穫後に苗をつくる場合は、伸びたランナーから子株を育てます。

追肥

植付け後、花が咲き始めたら 1株に対し化成肥料5gの割合で土の表面全体にまき、土と軽く混ぜます。

らくなりイチゴのような四季成りイチゴでは収穫期間が長いので、その後も収穫できている期間は2週間に1回程度の頻度で追肥を与えます。

なお、一季成りイチゴでは収穫期間が短いので、追肥は花が咲き始めた頃の1回だけになります。

また、一季成りイチゴでも四季成りイチゴでも、冬越し後の3月初旬~4月初旬の休眠から覚めた頃に、上記同様に追肥を1回行います。

人工授粉

イチゴの授粉はミツバチや風でも行われるようですが、家庭菜園では人工授粉が基本で、特に防虫ネットを使う場合は人工授粉が必須になります。

人工授粉のタイミング

人工授粉とは、花の中心の雌しべに周りの雄しべの花粉を付ける事です。
花が咲いたら、化粧筆等の柔らかな素材で、優しく均一に人工授粉を行います。

ただし花が開花した1日目は、雌しべは立派ですが雄しべは小さくまだ成熟していないので、雄しべは花粉を出せません

開花してから2日目以降に、雄しべが広がり・雄しべの先端の(やく)が大きくなり、そして 葯(やく)が開いてはじめて花粉を出せるようになります。

開花1日目 まだ花粉はでない
開花4日目 雄しべは大分成長
気温が15℃と低く微妙。まだ早そうだが一応花粉も出た見たい

イチゴでは、昼間の気温が15℃以下の低温の時や湿度が高い時には雄しべの葯が開かず、花粉がでないようです。このような時に人工授粉をしても実にはなりません。

また、イチゴは開花してから5日を過ぎると受精能力が低下してきます。それにつれて花びらが落ちだします。

なので、人工授粉は開花してから3~4日の間葯が開き花粉が出てくる午前中に行うのが良いとされます。

ただ、開花直後でも雌しべには授粉の能力があるので、花が沢山咲いていて、成熟している他の花の花粉で授粉できるなら、開花直後の花を人工授粉しても問題ないようです。

というか、沢山花が咲き出したら、どれが3日目かなんて分かりません
わたしの場合は、適当に優しく何度も人工授粉して上手く行っています。

ブラシで人工授粉するときに、筆に黄色い花粉がつくならば、人工授粉の成功確率が高いです。

人工授粉の方法

お勧めは ダイソーで購入したチークブラシ です。
なんといっても筆先が柔らかく、白いので花粉が付着しているかの確認も容易です。

筆に優しく雄しべの花粉を移し、雌しべ全体にまぶすように花粉を付けます。
のの字を描くようにすると良いようです。

わたしは花に戯れるミツバチになったつもりでやっています。

人工授粉用のチークブラシの写真
柔らかく白い筆
2年目のイチゴ。
実が大きくなってきました(5月11日)。

収穫

実がヘタまで真っ赤になってきたら、熟しすぎないうちに、へたの部分をハサミ等で切取って収穫します。

熟しすぎると腐り、病害虫が発生する原因にもなるので、収穫できるまで育ったらすみやかに収穫しましょう。

収穫前の写真
2年目イチゴ 5月19日 沢山赤くなったので収穫
まだ少し早くかった見たいです

冬の管理

イチゴは寒さに強いが、ー5℃を下回ると凍害の危険があるようです。

積雪がない場合はトンネルに寒冷紗等を掛ける寒さ対策が必要です。
積雪する場合は、雪が寒さを防ぐので特別な防寒対策は不要です。雪に埋もれて春を待ちます。

12月から2月下旬の気温が0℃になる時期は休眠期間に入るので、水やりは控えますが、完全に乾燥させると枯死してしまうので、土が乾いたら控えめに水やりをする必要があります。

積雪したら水やりは不要です。

【参考記事】

冬越し後の春のお手入れ

冬を越したら、枯れた葉の除去や、春からの生育の為の追肥を行います。

【参考記事】

こんな時には(栽培時のコツ)

花が咲かない

花が咲く花茎とは

イチゴは葉がつく葉茎には蕾/花は付きません。
花芽分化した花茎に蕾/花が複数つきます。

なので、花が咲くには花芽が成長するまで待たないといけません。

花茎はランナーとは伸びる長さが明らかに違うので、簡単に見分けが付きます。

  • 花茎はランナーのようにスルスル伸びたりしない
  • じわじわ長くなり葉茎より短いうちに蕾/花が咲く
イチゴの花の写真
7月13日の状態
イチゴの花。花茎に複数のつぼみが付く。

花茎ができる条件(花芽分化)

花芽ができるには花芽分化が必要です。
花芽分化が起こる条件は、一季成りイチゴと四季成りイチゴで異なるようです。

一季成りイチゴでは、秋の低温と短日によって花芽が形成され、このとき形成された花芽だけが実になります。

しかし四季成りイチゴでは花芽分化に温度も日長もあまり関係がなく、休眠の時期以外は花芽が年中継続して形成されるので、春から秋にかけて長期にわたって花が咲き・実がなります。

私の栽培1年目のらくなりイチゴでは、4月に植付けてからなかなか花が咲かず心配したのですが、7月初旬に待望の花が咲きました。

らくなりイチゴの栽培2年目では、冬越し後に4月から花が咲きました。

今年育てている4つの品種では、全て5月中に花が咲き一部は既に実になり収穫もできているので、花が咲くかどうかは株の生育状況によるものみたいな気がします。

花が咲かなくとも焦らずに、のんびり株を育てれば大丈夫と思います。

葉が茂りすぎる(脇芽かき)

イチゴが成長すると、葉茎の内側に小さい芽が出てきます。
これは脇芽と呼ばれ、放置すると葉が茂り過ぎることになります。

脇芽にはメリットとデメリットがあります。

  • メリット
    脇芽を残すと実を多く収穫できる。
    主幹が弱った時のバックアップになる。
  • デメリット
    株の栄養が分散され、実が小さくなる。
    葉が茂り過ぎて病気や害虫被害の原因になる。

基本的には葉が茂りすぎないように、適切に脇芽を摘み取ることが必要です。
この作業を脇芽かきといいます。

考え方はミニトマトの脇芽と同じで、基本的に脇芽は摘み取る方が、実が大きく甘くなるので推奨されますが、上記のメリットを考慮し、少し残す選択もあるようです。

わたしは主幹を含めて3~4個まで残すことにしました。

芽かき前
芽かき後

アザミウマにやられた

アザミウマ体長が1mm程度で細長い、とても小さな、そしてとても嫌な虫です。

アブラムシと双璧の大嫌いな虫です。

3匹のアザミウマが隠れています

奴は花に付いて汁液を吸い、そのせいでイチゴの実の外観が悪くなり、実の表面が固くなります。
一応食べられますが、食感がかなり悪化します。

対策には以下の方法が代表的なものになります。
1と2を実際に試してみましたが、いま一つでした。

  1. 黄色/青色粘着シートで捕獲
    ⇒捕獲は出来るが効果は限定的
  2. 赤色防虫ネットで侵入防止
    ⇒農家用は高価なので赤い収穫ネットで代用したが、紫外線で退色し断念。
  3. 殺虫剤で駆除
    ⇒使いたくない。
  4. 天敵製剤で駆除
    ⇒家庭菜園では無理。
  5. 目の細かい防虫ネットを使う
    ⇒プランターの防虫ネットでは、換気できず高温になるのでいまいち。
  6. シルバーマルチで忌避
    ⇒試してない。効くのかな?

現時点で一番効果的なのは、以下の対策でした。

  • 葉かき/芽かきを徹底
    風通りを良くし、アザミウマを見逃さない。
  • 人工授粉時に筆に潜らせて捕獲
    アザミウマは花に息を吹きかけると簡単に見つけられます。
    筆を押付けると潜り込んでくるので、筆の毛ごと潰す。
  • 泥はね防止のマルチングをした上で雨に適度に晒す
    炭疽病の懸念から、イチゴを雨に当てるのを避けていたが、乾燥はアザミウマには快適。
    アザミウマが発生したら、マルチングをした上で雨に当てます。
    ただ雨に晒すのは炭疽病だけでなくうどんこ病のリスクも増加するので、実施は注意して最小限にしましょう。

これで、実害無いレベルまでアザミウマの発生を抑え込めそうです。

まとめ

はじめてのイチゴ栽培は分からない事だらけでしたが、育て易いらくなりイチゴのおかげか、1年目からでも収穫できました。

雪の中での冬越しも成功し、2年目は苗を購入することなく・培養土もそのままで、それこそらくらく収穫ができました。

四季なりイチゴはずっと収穫ができるし、コスパ最高です。

令和6年2回目の収穫
令和6年 5月22日 2回目の収穫

すこし難しいけど楽しい!
イチゴ栽培。ちょうお勧めです。

補足:イチゴ栽培でおすすめの本

一季なりも四季なりも詳しく栽培方法が書かれてます。お勧めです!