わが家はオール電化にしており、冬の暖房はエアコンのみです。
そのせいで雪国にある我が家の冬の電気代は高く、ピークの1月(2023.1月)の電気代は4.4万円にもなっており、冬季4カ月(2022.12月~2023.3月)の電気代総額は約14万円にもなっていました。
冬季4カ月の月平均は3.4万円になるので、冷暖房の使用頻度の少ない10月の1.2万円程度から推定すれば、暖房代に月2.2万円ほども掛かっている計算になります。
たまったものではありません。
そこで窓断熱の改善での冬の暖房代削減に取組みました。
ガラス枠にポリカプラダン嵌め込みDIYとは
冬の暖房代を下げるには、窓の断熱性能を改善するのが良いようです。
従来の複層ガラス+アルミサッシの場合には、窓から冬は50%の熱が逃げ、夏は74%の熱が入り込むとか。
引用元:SUUMO/断熱窓とは?断熱窓の商品や費用、断熱シート・断熱ボードとの違いなどを解説
わが家では窓の断熱性能を確保する為に、初めからペアガラスと樹脂製サッシにしていますので、この図ほど熱が逃げてはいないと思います。
しかしそれでも東北の厳しい冬には敵わないようで、冬の窓ガラスはとても冷たく明らかに熱が外に逃げています。
なのでガラス窓の断熱を改善することで、冬の暖房代削減に期待できると考えました。
ちなみに樹脂サッシはやはり断熱性能が高いようで、真冬にガラスが冷たくなっても、樹脂サッシは全然冷たくなっていませんでした。
窓断熱改善の色々な方法
追加で窓断熱を改善する方法は、代表的なところで以下のようなものがあります。
- 施工業者による内窓(二重窓)リフォーム
- 市販キットを使ったポリカプラダン内窓DIY
- 窓ガラスに窓用断熱シート(プチプチ)貼付けDIY
- ガラス枠にポリカプラダン嵌め込みDIY
これらの中から、わが家では『ガラス枠にポリカプラダン嵌め込みDIY』を選びました。
この方法は材料の準備やDIYに多少手間が掛かりますが、必要費用/期待効果/見栄え のバランスが、もっとも良いと判断したためです。
ガラス枠にポリカプラダン嵌め込みDIY
この『ガラス枠にポリカプラダン嵌め込みDIY』では、スペーサーでガラス面とポリカプラダンの間に一定の隙間を確保した上で、ガラス枠にポリカプラダンを嵌め込み、透明な養生テープで貼り付けます。
これにより、『ガラスとポリカポラダンの隙間の空気による断熱』と、『ポリカプラダン自体の空洞での断熱』の、2重の断熱効果をガラス面に追加できます。
このDIYのメリットとデメリット
このDIYでのメリットとデメリットは以下のようになります。
メリット
- 自分でやるDIYなので費用を抑えられる
- 内窓市販キットのような追加の窓枠やレールが不要で安く済む
- 透明ポリカプラダンを使うことで見た目が自然で安っぽさがあまりない
- ポリカプラダンは耐候性があり丈夫なので断熱シートのような見た目の経年劣化がすくない
- ガラス枠にポリカプラダンを嵌め込むので窓の開閉は現状と変わらずに行える
- 内窓の追加が難しい窓枠内にシェードカーテンを組み込んだ窓にも対応できる
- ガラス枠にポリカプラダンを嵌め込み、サッシに養生テープで貼り付けているのだけなので取り外しが容易
デメリット
- 断熱シート貼付けDIYに比べれば材料代が高い
- 断熱シート貼付けDIYに比べれば作業の難易度が高く作業量も多い
- 嵌め込んだポリカプラダンが剥がれ落ちる場合がある
サッシに貼る養生テープが浮いてくる場合があるので、季節毎に一回程度の点検を事をお勧めします。
わが家では、実施した10組の窓の内の1箇所だけ夏に剥がれ落ちました。
このように若干のデメリットもありますが、多くの方でメリットがデメリットを上回ると思います。
必要な材料と費用
必要な材料
・ポリカプラダン
⇒¥2,000程度/1枚
厚み4×幅910×長さ1820
カッターで必要な分を切出して使います。
引違い腰高中窓なら、1枚から窓一箇所分(面材2枚分)程度とれます。
ポリカプラダンはホームセンターが安いですが、幅910×長さ1820は畳一畳の大きさなので、搬入には車高の高い車が必須です。N-BOXでギリギリでした。
ホームセンターでは、¥500程度での搬送サービスもあるようです。
参考)ECで購入可能な小サイズのポリカプラダン
なお、プラダンとポリカプラダンは素材が異なり、見た目も耐久性も段違いです。
プラダンはポリカプラダンの半額程度で安いですが、家用にはポリカプラダン(中空ポリカ)をお勧めします。
プラダンの素材 = ポリプロピレン
ポリカプラダンの素材 = ポリカーボネート
・メンディングテープ
⇒¥400程度/30m
ポリカプラダンの筋に直角な端面を塞ぐのに使います。
引違い腰高中窓なら、窓一箇所分(面材2枚分)で3.5m程度使います。
これにより、「ポリカプラダンの中空構造を密閉する事で断熱効果を高め」「中空構造内への異物混入を防止」します。
耐候性を考慮しメンディングテープを使います。
・隙間テープ
⇒¥800程度/10m
厚み4~5mm(ガラス枠の段差による)
ポリカプラダンの周縁に貼り付けます。
引違い腰高中窓なら、窓一箇所分(面材2枚分)で7m程度使います。
これにより、元のガラスと追加するポリカプラダンの間に空気層を確保します。
隙間テープの素材には色々な種類があり選択に迷ったので、一般的で入手しやすいポリエチレンフォーム素材とエプトシーラー素材の2種類の素材の隙間テープを使って見ました。
そして設置から取り外さず1年使ってみた結果、このDIYの用途にはポリエチレンフォーム素材の隙間テープの方が良いようでした。
耐候性はエプトシーラー素材が優れるようですが別にポリエチレンフォーム素材でも一年経過程度では問題はなく、ポリエチレンフォーム素材の方が固いので、ポリカプラダンの元々の反りを矯正してくれるメリットがありました。
・養生テープ
⇒¥200程度/25m
切出したポリカプラダンの四隅を4cm程度の長さで貼り付けます。
養生テープにしたのは粘着力が弱めな為です。
暖かくなってポリカプラダンを外す時のガラス枠へのダメージを防止する為です。
ポリカプラダンをガラス枠に嵌める構造なので、養生テープはポリカプラダンが倒れるのを防ぐだけの弱い粘着力でも十分です。
また、見栄えが悪くならないように、透明タイプを選びました。
合計
窓断熱を改善する為の必要費用は、大きめの窓1組の場合で、
⇒¥2,600程度
になると思います。
実際のDIY作業手順
ガラス枠のサイズを計る
ガラスにはサイズが表記されています。
しかし実際に必要なのは埋め込まれた分を除いた ガラス枠(框)のサイズ なので、実測が必要です。
わが家のガラス枠は、ガラスのサイズより30mm程小さくなっていました。
ポリカプラダンの切出しでは、ガラス枠のサイズから更に 2mm小さく 切出します。
嵌め込んだ時に隙間を確保する為です。
注意点
南側の窓には窓断熱DIYを行わない方が良いようです。
理由は窓断熱を強化することで、窓からの日射が少なくなってしまう為です。
南側の窓に窓断熱を行ってしまうと、冬の昼間に日射によって部屋が温まることを邪魔してしまう事になります。
ポリカプラダンからの切出し方法を決める
幅910×長さ1820のポリカプラダンから出来るだけ無駄なく面材を取り出す為に、切出し前にエクセルで切出し方法を検討しました。ポリカプラダンを何枚購入するか?決める為にも、この検討が必要です。
やり方は単純です。
まず母材ポリカプラダンを縮小した図形を、パソコンの画面上の長さを定規で計って作り、縮尺を決めます。
つぎに必要な面材の図形を同じ縮尺で作成し、ポリカプラダン母材に重ね、一番上手く取れる方法を探します。
必要に応じ図形を回転してます。
切出し例
必要材料を見積もる
必要な面材のサイズが分り、切出し方法が決まれば、それぞれの部材の必要数が決まります。
小さい窓は、一枚のポリカプラダンから複数切出すので、並べ方で必要なポリカプラダンの数が変わります。
わたしの場合は、見栄えを良くする為に、よく目につく窓には筋が横になるように統一しました。
縦に筋があると、いかにもポリカプラダンに見える気がしたためです。
この為に切出し方法を、数最優先ではなく、数と見栄えのバランスをとって決めました。
材料の入手
ポリカプラダンは、ホームセンターの通販で在庫を調べ、取り寄せて店頭購入しました。
愛用のコメリです。
部材サイズが大きすぎる為なのか、Amazon等のECでは良いものが見当たりませんでした。
他の部材はAmazonで購入しました。
ポリカプラダンの切出し
DIY作業の為に、新たに1mのカッティングスケールと大型カッターを購入しました。
カッティングスケールには、カッターでの切出し時用に 高さ7mm程度 のガードが付き、ズレ防止にゴム底にもなっており、大変便利です。
持っていない方は是非購入をお勧めします。
大型カッターは迷ってスライドロック式を購入したのですが、ポリカプラダンは固く、カット時に刃が引き出されやすいので、ダイヤルロック式にした方が良かったと思っています。
カット時の下敷きは、段ボール箱をばらして4枚重ねで使いました。
1枚目は完全に貫通します。
2枚目は部分的に貫通します。
3枚目にはわずかに表面に跡がでました。
わたしの場合は4枚あれば大丈夫でした。
カッターの刃を出し過ぎないようにするのがポイントです。
ポリカプラダンは固いので一回で切ろうとせず、3~4回刃を入れて少しづつ深くするつもりで切ると簡単です。
最後にプラダンからカッターが離れる時に、段ボールにカッターが深く入ります。
そこで切れすぎて床に傷が付かないように注意が必要です。
最後は力を緩め、カッターを立てずに斜めにした方が良いと思います。
片側からリブ部までカットしたら、持ち上げて折り曲げると簡単に切断できます。
あとはカッターで剥離シートをスーツと切ります。
ただし、クレセント(鍵の部分)部を彫刻刀で切出す時は、彫刻刀を上から押しこんで切出す作業になるので、下に敷くのが段ボールだけでは、彫刻刀が段ボールを貫通してフローリングに傷を付ける危険があります。
この作業の時だけは、わたしは工作マットを下に敷きました。
なおクレセント部の加工は、型紙を作るとやり易いと思います。
ポリカプラダンは厚みがある為、クレセントの下に入らないからです。
事前にハガキ等をクレセントの下に差し込んで型紙を作り、ポリカプラダンの適切な位置に形を転写します。
ポリカプラダンの端面処理と隙間テープ貼付け
ポリカプラダンを切出したら、後の作業は簡単です。
- 中空セルの端面をメンディングテープで塞ぐ
- 周縁に隙間テープを貼り付ける
ガラス枠(框)への嵌め込みと養生テープでの固定
ここまで出来れば、後はガラス枠に嵌め込み、養生テープで固定するだけです。
固定方法は養生テープでサッシに貼り付けるのが最適と考えます。
はじめは耐震マット(ジェル)で貼り付けたのですが、しばらくすると浮いてきて駄目でした。
養生テープの透明は、完全な透明ではないですが、遠目には分からず気にならなくなります。
まとめ 効果大!
この窓断熱DIYにより、窓ガラス表面の冷たさは段違いに改善されました。
真冬でもガラス枠に嵌め込んだポリカプラダンの表面は全く冷たくなりません。
この窓断熱DIYを実施した2023.12月~2024.3月の冬の電気代は、以前の電気代に比べ4万円も安く済みました。
窓断熱改善前:冬季4カ月電気代 14.0万円
窓断熱改善後:冬季4カ月電気代 9.9万円
DIYで使った材料代は、大小あわせて10組の窓に窓断熱DIYを行って計2万円以下でした。
一冬で余裕で元がとれた計算です。
なお、夏の紫外線でのポリカプラダンや隙間シートの劣化を避ける為に、夏には一時的に外す事も考えていたのですが、夏の外気の高温も防いでくれるかも?と考え、ひと夏付けたままにしていました。
結果、特に劣化はないでした。
メンテナンスは少し浮いてきた養生テープを貼り直すだけです。
したがって、今後は丸々年4万円の節約が出来そうです。
作業に手間は結構かかりますが効果は絶大。暖房費に悩んでいる方にはお勧めします。