うちの娘はスーパーのミニトマトは食べないのに、家庭菜園のミニトマトだけは美味しいと食べてくれます。
どうも、家庭菜園用に買ったカゴメの『あまぷる』が気に入ったようです。
『あまぷる』は超うす皮で超甘いミニトマトで、皮が薄くて輸送に難がある為にスーパーでは売っていません。
家庭菜園専用の、家庭菜園をしている人だけが味わえる特別なミニトマトです。
ミニトマトは美味しいだけでなく、コスパが良く・栽培も簡単 で、初心者にお勧めの作物です。
ですが、はじめての栽培ではそれなりに悩むところもあるので、栽培のポイントをまとめてみました。
ミニトマトの基本情報
科目属名:ナス科トマト属
生育適温:20~30℃
水やり :乾燥気味に育てる
植付時期:最低気温が10℃以上になり、
晩霜の心配がなくなった頃。
4月下旬~6月上旬
生育期間:植付けから収穫まで約2ヶ月
収穫期間:約1.5カ月間
ミニトマト栽培のポイント
ミニトマトは比較的育てやすい作物です。
特別な作業はすくなく、『支柱への誘引』『風通しを良くする事での病害虫予防』『脇芽かき』が栽培のポイントになります。
苗の選び方
わたしのお気に入りの品種は薄皮/超甘の『あまぷる』ですが、同じような品種は他にもあります。
カゴメ『ぷるるん』、サントリーの『純あま』なども子供が喜びそうな気がします。
苗は、茎の太さが鉛筆程度/葉の緑が濃く厚みがある/花や蕾が付いている/子葉が付いている ものを選ぶのが良いようです。

プランターの選び方と植付け方
プランターは、直径30cm×深さ30cm程度で、容量15L程度の丸型プランターがお勧めです。

土の深さを確保する為に鉢底石は使わず、底に鉢底ネット or 水切りネットを敷いて直に培養土を入れます。
プランターに培養土を入れたら、苗が収まる程度の穴を空けます。
そして、ミニトマトの苗を人差し指と中指の間で優しく挟み、上下ひっくり返してポットを外し、軽く手で押さえながら根鉢を崩さずに培養土に空けた穴に植付け、株元に土寄せして軽く手で押付けます。
最後に、葉や茎を避け、根本の土にプランターの底から水が流れ出るまで水をタップリ与えます。

栽培する場所
日当たりがよく、風通しのよいところで育てます。
直射日光が当たる場所でもよく育ちますが、30℃を超えるようになったら半日陰に移動します。
またミニトマトはほとんど雨が降らないアンデスが原産地の為か多湿が苦手で、多湿が病気の原因になると言われます。
梅雨時の雨の日は軒下等に移動した方がよいでしょう。
水やり
ミニトマトは基本的に乾燥気味に育てます。
必ずしも毎朝あげなくとも良いようです。
ミニトマトは乾燥に強いので、多少水やりが遅れて萎れても水をやれば直ぐに元気になります。
以下のポイントに注意し、葉や枝を避けて根本の土に水をあげて下さい。
- 実がなるまで
土全体が乾いたら底穴から水が漏れ出すくらいタップリあげる。 - 実がなったら
土が乾燥しても気にせず、葉先が少ししおれてから水をあげる。 - 水やりは基本朝に行う
夕方に与えるのは、朝あげられなかった時のみです。
支柱への誘引
ミニトマトは背丈が高く・茎は細いので、支柱等で誘引しないと地面に倒れ、地面を這いずるように育ちます。
畑栽培では、敢て誘引しない地這い栽培という方法もあるようです。
しかし家庭でプランターで栽培する場合、地面に這わせる訳にはいかないので、植付けしたら直ぐにリング支柱を立て、ミニトマトが倒れないように支柱に誘引して育てます。
ミニトマトの支柱仕立てには色々なやり方がありますが、プランター栽培の場合は以下の2つが代表的な仕立て方です。
- 1本仕立て
支柱を一本立て、これに誘引する。
一番簡単。 - あんどん仕立て
リング支柱の外側に、茎をらせん状に巻付けて誘引する。
1本仕立てよりも枝を長く育てられるので、収穫量を増やし易い。
お勧めの仕立て方『あんどんもどき』
わたしも基本『あんどん仕立て』でミニトマトを栽培していたのですが、あんどん仕立てには以下のようなデメリットがあるように感じています。
- 防虫ネットを掛けにくい
- 巻付けるのが結構面倒
- 巻付け過ぎると風通しが悪くなる
とくに防虫ネットが掛け難いのが問題で、らせん状に枝を長く育てても、実が虫に食われたら意味がない。
それで家庭菜園のマニュアルにはないですが、今年からリング支柱の代わりにイボ支柱とマルチリングを使い、イボ支柱で囲んだ内側で適当に誘引する『あんどんもどき』で栽培することにしました。


防虫ネット
農薬を使わない場合の最強の防虫対策は、やはり防虫ネットに勝るものはありません。
『あんどんもどき』仕立てにすることで、防虫ネットを植付時から収穫が終わるまで掛けられます。

防虫ネットの使い方
ダイソーの1m×1.4mの防虫ネットを、1.4mの方をホッチキスで止めて筒にし、支柱に被せて上下を洗濯ばさみで止めます。
空いている上部を1m網目の収穫袋など、適当な網で塞げば完成です。
これで毎年秋になるとやられていた、憎きオオタバコガへの対策になるはず!

わき芽とり
風通しを良くして病気/害虫を避ける為と、余分な枝に栄養が取られて実の成長の邪魔にならないように、わき芽をとります。
こまめに確実に、できるだけ長さ5cmまでの小さいうちに取りましょう。
わき芽を取った傷口の乾燥が早い方が病気になり難いので、雨の日を避け、できるだけ晴れた日に行いましょう。
追肥
1段目の実が膨らみ始めてきたら追肥をスタートします。
化学肥料を 1株当り10g 程度をプランターの縁に沿ってまき、土と軽く混ぜます。
以降 3週間に1回 程度の頻度で追肥を行います。
肥料の与えすぎは作物を徒長させることになり、うどんこ病になり易くなったり、アブラムシ等の害虫にやられ易くなったりします。
与えすぎは禁物です。
下葉かき
病気や害虫の予防の為に、枯れてきた下葉があれば随時摘み取り、風通しを良くします。
実がつく果房の下の葉は、果房直下の葉枝以外は実に栄養を送らないようなので、摘み取っても実の成熟には影響しないようです。
収穫
果実全体が濃い赤色に染まり、ヘタの部分が丸まってきたら収穫です。
実際の栽培時のコツ
害虫/病気対策
『日当たりが良く、風通しの良い場所に置き』『わき芽かきをしっかりして風通りを良くする』と、アブラムシ等の害虫の発生を多少抑える事ができ、うどんこ病等の病気の発生の予防にもなります。
これでも害虫が発生したら、歯ブラシで落としたり/セロハンテープにくっ付けたり して除去します。
唐辛子酢スプレー
唐辛子酢のスプレーも、アブラムシの忌避剤になるようです。
更に酢の効果でウドンコ病の予防にもなります。
【参考記事】
アブラムシが大量に発生してしまい、より確実に安全性にも配慮して駆除するには、薬品系ではなく気門封鎖系の駆除剤がお勧めです。
害虫に直接噴霧し、害虫の気門を塞いで窒息させて駆除するので、安全性が高く安心して使えます。

マルチング
雨や水やりでの泥の跳ね返りが葉につくと病気の原因になるようで、株下にシートを敷くマルチングが対策になるようです。
マルチングは保湿や保温にもなり、シルバーマルチを使えばアブラムシ対策にもなるとか。
ですがプランター栽培にマルチまではちょっと大げさでは?
ということで、100均の排水口ネットを敷いて泥はね防止をしています。
風よけ/保温用に『ビニール袋あんどん』
農家の方の畑では、皆さん苗に肥料袋等を被せています。
これは春先の強風よけと保温のために行っているとか。
プランター栽培でも同じで、春の強風で苗が折れたり/低温障害で葉がダメージを受けたりする危険があります。
このため天気が変わりやすい5月中旬頃までは、プランターにビニール袋を被せ、苗を保護するようにしました。
プランターの防虫ネットの上からビニール袋を被せるだけなので、温度が高く・風が弱い日はビニールを下げ、温度や湿度が上がりすぎるのを調整することも簡単です。
30Lの袋がピッタリでした。

ビニール袋の底を切り、手繰って輪にし、プランターに下から掛けます。

『ビニール袋あんどん』を被せているときは、風で枝が揺れての受粉が難しくなると懸念されるので、毎日枝を揺すってやりましょう。

まとめ
栽培が簡単でコスパが良いミニトマトは、家庭菜園には最適です。
なによりも、本当に美味しい。
なお、栽培コストを下げる為に、使用後の培養土は捨てずに再生して使う事をお勧めします。
【参考記事】